夢のもちかた

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私の息子の保育園の卒園式では、園児たちが賞状を受け取ると、くるりとこちらに向きを変え、「大きくなったら○○になりたいです!!」と高らかに将来の夢を宣言します。

私の息子たちは仮面ライダーの影響が強く、警察→無職→ドクターと将来の夢が変化しております。さすがに無職の主人公時代は、職業を仮面ライダーに決めてもらえず、情熱大陸に出演していた恐竜の化石を発掘している大学教授に回答を見出しました。

皆さんも将来の夢を言わされる、書かされる経験を子供の時にしたことでしょう。夢とは本来、何になりたいかでははく、何をしたいかだと、子供が言った夢に注文を付けてもしょうがないので、ここで問題にしたいことは、夢を語らせる教育についてです。

子供たちに夢を語らせて、学校が行うことは、夢の手伝いではなく、夢とどう結びつくかわからない勉強です。私は学校での勉強の意義は大いにあると思いますが、そもそも近くに夢を語る大人もおらず、「夢のもちかた」も教えてもらえない子供たちに、夢をもて、夢をもてと迫るこの脅迫は、学校だけの責任ではありません。

この脅迫によって、「夢のない自分はダメだ」「夢がないので行動できない」といった思考を身にまとってしまう子供たちがいるのでは。

夢は理詰めで考えろ

夢とはもっと論理的に、戦略的に考える必要があります。直観に頼るのではなく、理詰めで導き出される夢は、それ自体が叶える道筋を示してくれるからです。

夢の向く先

夢とは、人に向けられるのものだと決めてしまいます。スポーツ選手や特殊な才能を持たない私たちがもつべき夢とは、人を助けたい・人の役に立ちたい、そんな他人に向けられる夢です。夢の実現には沢山の人の協力が必要で、誰かを助けたいという夢であれば、賛同者を募りやすく、助けた対象も賛同者になってくれます。

また対象者を絞り切れない夢では、考えを進めることは困難となります。対象者を絞り、その人たちを助けたいという夢をもつことが大切です。

夢のもちかた

必要な要素は、「未来の姿」「助けたい人たち」「自分の嗜好・やってきたこと」の3つです。

「助けたい人たち」は、「自分の嗜好・やってきたこと」から導き出した、言わば「自分の分身」であり、困っている・苦しんでいることを互いに「共感」することができる人たちです。または、自分と同じ悩みを抱えている人たちです。

それらを「未来の姿」に当てはめ、予測を立てます。未来の中で自分がどんな位置に立っていられれば、「助けたい人たち」をより助けられるのか。その位置が、将来の目標であるべきです。

夢のために必要なもの

未来の自分の立ち位置を決め、対象となる人たちを見定めることができれば、後は色んな方向からチャレンジをするだけです。

方法は多数存在しますが、その夢の実現性を高めるためには、「オリジナリティー」「人を巻き込む」「物語」が必要です。

「オリジナリティー」はゼロから生み出すのではなく、「自分の嗜好・やってきたこと」を組み合わせることで出していきます。たまたま堀江さんの言葉を見かけましたが、1/100のよくある存在でも1/100×1/100とすることで、1/10000になれるという、そのままを実行します。

「人を巻き込む」方法は、自分の夢へ進む道筋を説明し、助けてほしいと頼んで、共感してもらったり面白いと思われることで可能です。同時に、助けることで人を巻き込んでいきます。

これら全ての話を統合し、筋立てて一つの話にまとめることで、「物語」を作ります。この「物語」が正に「夢」と呼べるものだと思います。 

語れる夢の大切さ

 このように組み立てられた「夢」は、語る本人が主人公である「物語」です。その「物語」が完結する道筋が、考え抜かれたものであるけれど、修正する余地があると聞き手が感じられ、「物語」に重要な役として登場できると思えることが重要です。

出来上がった「物語」よりも、全く先の見えない「物語」。参加することで、不安があり、思った通りにならないけれど、小さい成功を積み上げていける「物語」が、人を惹きつけ、楽しませることができます。