悩みはコンテンツ

自分の中にある悩みを他人に知らせることで、聞き手は自然とその悩みに対する回答を考えてしまいます。それは、誰しもが持っている優しさであり、誰かを助けたいという欲求であると思います。

助言をし、感謝してもらえることで、幸福を感じる仕組みについて考えてみると、

1、まず、相手の弱さを見せてもらえた。という喜び

2、何か自分にできないか。という期待と、或は優越感

3、自分の知識、経験を総動員して、回答を出す。という知的な興奮と安堵

4、出した答えを、相手に聞いてもらう。という承認欲求

5、相手に感謝される。わかってもらえた達成感、一体感、自己肯定感

以上に分けられます。

2の優越感と、3の知的な興奮は人によるのでしょうが、これだけの幸福を短時間に感じられるコンテンツは、そうはありません。つまり、悩みを持っているということは、誰かに幸福を与えるコンテンツを有していることになります。

既に悩みをコンテンツと捉えてしまっていますが、コンテンツだと割り切って考えた場合、悩みの出し手は、1相手を否定しない。2相手に行動を求めない。3感謝の気持ちを表す。4行動に移すよう努める。ということが必要です。

受け手は、1上から目線にならない。2行動に移すかは相手に委ねる。と、わきまえます。

こう考えると、行動に移せる悩みを持つことは有意義であり、例え自分で何らかの回答を出せたとしても、周りの意見を聞くことが大切だとわかります。

また、一方的に何かを他人にしたい場合、それが善意であっても、与える側からのアプローチは、警戒感を与えてしまいます。相手に何かを与えたいのであれば、一度自分の問題に落とし込み、悩みを相談する形に変化させることができれば、共感を得られ、その後のアプローチも上手くいくのではないかと考えます。

相手を助けたいがために警戒感を解くという、本末転倒な話ではありますが、その過程を踏んでいくことが大切だと信じます。